2013年6月8日土曜日

エデュカチオ!「学校に行きたくない!」 不登校について




テーマは登校拒否

東山さんも尾木さんも自分が小学校だったときに学校に行きたくなかったことがあると話していました
東山さんは嫌な授業があるとか、恥をかくようなことがあって行く勇気がなくなってしまったと
尾木さんは嫌いな先生がいたそうです

不登校とは「病気や経済的理由以外の様々な要因・背景により、年間30日以上休むこと」
全国で174000人、中学校ではクラスに1人の割合いるということです

実際の経験者へのインタビュー男女3人
人の目が怖くなったり、友人関係につまづいたり、優等生のレッテルを貼られて苦しくなってしまったり、理由は人それぞれ

尾木さん、東山さんのお二人はどの方の気持ちもすごく分かると共感していました

学校に行きたくないと思った理由(子ども300人アンケート)
1位 人間関係の悩み55
2位 個人的な事情 18
3位 無気力 12
ダントツで人間関係の悩みでした

東山さんは小2の3学期のとき転校して環境が激変し、「学校行きたくない症候群」になった
尾木さんも生活や友達関係まで全部変わってしまうから大変だったでしょうと仰っていましたが









親に行きたくないと言うと、いくらかかってると思ってんだと領収書見せられたりしたそうです

子どもが「行きたくない」と言ったときに、どう対応したら良いか?
ある親子、母なおみさんと息子るかさんへの取材
るかさんは現在高校生で今まで小2、小6、中3と不登校の時期があったそうです
なおみさんは学校へ行くのは当たり前、学校を休むのはあまり普通のことではないから
とにかく行きなさいと促した
でもるかさんはどうして行きたくないのか説明できなくて苦しかったようです


きっかけは友だちとのささいな喧嘩だったようですが
その後、学年が変わって友達と遊ぶ息子さんを見てお母さんは安心するが
息子さんが学校へ行きたくないという気持ちは変わっていなかった
学校自体が嫌いになったと

尾木さんは心理的なカウンセリングをやろうとしても
自分のことを相対化することができないから小2ではまだできない
本気で行きたくないときは言葉にしない
言わないで身体症状に出てくる、ご飯食べないとか、声の調子が低いとか、そういう感じになる
 
では子どもが行きたくないと言い出したらどう対処したらいいのか
古荘純一さん
児童精神科医・青山学院大学教授
①休ませて様子を見る
この時点で精神的に追い詰められている子どもがほとんど
数日から一週間休ませたほうがいい
②行きたいサインが出るまで待つ
サインとは子どもの口から学校の友達や授業を気にする言葉が出るなど
それまでは無理に行かせないほうがいい
とは言っても学校を休ませるのは怖いという親も多いのでは?
尾木さんの家庭では実際にお子さんを休ませていたそうです
子供の性格を見て鬱積してくると上手に処理できないタイプかなと分かったから
1ヶ月前にカレンダーの平日にハナマルをつける
それをリフレッシュ休暇とネーミングして「リフレッシュしよう」って、”サボる”
スキーなんか行くとゲレンデがガラ空きでものすごく効率的に練習できる
学校を否定しているわけでもない
自分の子に合わせて一緒になって「お父さんお母さんいつも味方だな」って
「学校を休んでも悪くはないんだ」と
休むのがいいっていう訳じゃないけども
ガス抜きみたいな、違う居場所を作ってあげるのは僕は大事だと思いますよ
 
東山さんも「そこの空間にいるだけで息ができなくなるってありますもんね」共感していました
 
今では毎日他愛のない会話で盛り上がる、るかさん親子
しかし小6のときは顔を合わせれば喧嘩ばかりで親子にとって最も辛い時期だった

るかさんはなんでこんなに親に苛つくんだろうと思った
親と朝喧嘩するともうなんか、全部嫌だみたいな感じになっちゃって、なんか、全部、もう、知らないみたいな感じになっちゃって、それでその反動で学校に行かなくなったって感じですね

しかし母は息子が再び学校に行きたくない理由が理解できなかった
もし何かいじめられてるとか、こういう嫌なことがあるとか、そういうことだったらそれを解決していけるようにするけど
わたしも家にいて彼も家にいて「なんかダラダラした人がいるとやだな」っていうような・・・

欠席は年間40日に
担当からも「そろそろ学校に来ては」と呼びかけられる
何とか状況を変えようと母は息子を無理やり学校へ連れて行く
とにかく連れて行くっていうことがわたしの目標という感じ、行けばなんとかなるんじゃないかって
それはすごく強かった

学校に無理やり行かせるっていうのが
多分そのときの俺に一番やっちゃいけなかったことだったと思うんですよ
触れちゃいけないっていうか、超えちゃいけないラインだったと思うんですよ
嫌いだった学校に親が無理やり行かせようとすることをしちゃって
もう、もう、なんか起こるのを超えて、飽きたじゃないけど
冷めた、一気に、親に対しても

なおみさんが持っている、ある写真
(十字に破れた、るかさんの顔写真)
当時、るかさんがなおみさんの目の前で破り捨てたもの
これはね、多分私たちを否定したいっていうか、わたしなんかが撮った写真だから
やっぱり親に対する反抗みたいなものがあって「こういうことしたって僕は受け入れないぞ」っていう
すごいわたしもショックだった


VTRを見て尾木さんは
すごく頑張ってると思います。悪くいえば学校信仰なんて言われますけど
当事者にとってはそんなに簡単に「学校行かなくていいよ」って言えるもんじゃないですよね
お母さんとしては身体を張って一生懸命頑張って「とにかく行かせればなんとかなるんじゃないか」って愛情っていうかすごい伝わってきますよね

東山さん
1人になりたいっていうのはなんとなく分かる
親がいると息も詰まってくるでしょうし
孤独を感じるけど1人になりたいっていう矛盾した感覚があるんでしょうね

尾木さん
思春期の対応って、ものすごく難しいんですよ
親がどんなに有能でも対応はほとんどできないと思ったほうがいいと思う

東山さん
親御さんが一番大事なのは、手を出さずにがまんしてやるっていうの結構大事かもしれない

尾木さん
そう、それから子どもの心のなかに割り込んでいかない
そういうことが特に男の子と母親の間では大事


再び学校に通い始めたるかさん
しかし、中3のときにまた行けなくなり一年間の8割を欠席してしまいました
部屋にこもりがちになった息子に母は不安を抱きます
このままずっと続いてって、たまに聞きますよね
何年間部屋から出てこないとか
もしかして高校も行かないんじゃないか

一方るかさん
学校って当たり前に行くところ、その当たり前に行くところも行けないんだったら俺は・・・
このあとは高校もあるし、高校卒業したら大学行くか就職するかだし
絶対どこかには行かなきゃいけなくなる
中学校にも行けないのにこの先行けるわけないじゃないかと思ったときには
「ああ、これはもう早く死ぬな」というか「生きててもろくなことないな」と思った

不登校が長引くにつれ家族、先生、友だちともほとんど話さなくなる

なおみさんは学校以外の居場所を探す
教育相談所、自治体の相談室
半年かけて出会ったあるNPOさいたまユースサポートネット
週末ごとに開かれ参加無料
不登校を経験した10代から30代の若者が利用している
通ってくる子供の声で勉強、ゲーム、料理など活動内容を決める
代表は青砥恭(あおとやすし)さん
尾木さんがご存じの方だそうです
学校に馴染めず中退していく子どもたちを見て
学校以外の居場所を作る必要があると始めた
学校の文化とは自分の子供が合わなかった
排除とまでは言わなくても受け入れられなかったという思いが強い
自分たちの気持ちを共有してもらえるというものを求めて来られるんだと思う
それが僕は一番大事なことだと思います

最初は自分から話しかけることも出来なかったるかさん
今では半年間欠かさず通っている
学校とか全部忘れて楽しくできる時間ができて
それが希望の光、真っ暗なところから一個陽がさしたみたいになって
そこから考えが前進していくようになった

今年の四月
なおみさんは1年半ぶりにお弁当を作る
るかさんが学校に行きたいと言い通い出したから
でもるかさんは気持ち悪いとリビングにうずくまってしまう
通いだして二週間少し疲れが溜まってしまったよう
この日は午後から学校に
なおみさんは息子を見守ります


東山さん
ちょっとずつ変化が見えてきましたね
いいことですよね
自分の意志を持って行動できるようになった
 
尾木さん
実際に行動して、でも壁にぶつかってましたけど
でもまた突破していくような気がする
少しづつ自分と他人との関係を、自分をまた鍛えて
 
 
古荘さん
長期化したときに大切なのは子育てに失敗したと思わないこと
 
抱え込まずに堂々と外の力を借りることが大事だと尾木ママも
 
 
尾木さん
さっきのNPOなんかに行くとお母さん同士で話ができる
例えば、うちの子はこうこうこうで引きこもりになって6年経つ、うちは10年ですよとか
大先輩のお母さんがこんなに元気でいるというのを見ると元気が出てくる
お母さんが元気になってくると子どもも解放されてくる
お母さんが相談相手を作ったり、自分だけじゃないんだと思うこともすごく重要
お母さんも孤立してはいけない
 
 
どんなところに相談できるのか
・自治体の相談窓口 活用できる施設や団体を紹介してくれることも
(教育支援センター、こころの健康センター、保健所など)
・民間の団体
(NPO,フリースクールなど)
・医療機関
・不登校の子どもの受け入れ校(公立・私立)
・大学の研究室(心理学など)が開設する相談窓口など
 
 
不登校経験者のその後
 
29歳女性(自営業)
小1~高2で不登校
絶対に戻りたくない時代
でもその後、新たな高校で人間関係が良くなり自信が持てるように
親には不登校や中退を個性だと思って欲しい
 
尾木さん
ある意味でひとつの個性だと捉えてもおかしくないですよね
例えば中1で入ってきて何年かに1人というような、ものすごく文才のある子
かなりの割合で不登校になっちゃう
それだけいろんなことが見えて心が豊かな子、感受性の豊かな子なんです
 
30再男性(映像技術会社勤務)
高1で不登校・中退
今は後悔していない
その時期、映画やテレビ、音楽に夢中になり映像を作る仕事に携わりたいと今の仕事に
 
尾木さん
不登校で何もしていなかったんじゃなくて
打ち込んでいたからすぐに仕事に直結しているんですね
これはすごい健康的だと思います
 
東山さん
高校3年生のときにデビューが決まったから僕も中退なんです
そっちの道一本でいこうって決めて
でもそれを恥じることもない、僕は僕の選んだ道で生きていくと
 
磯野アナウンサー
大人になって社会でしっかり働いている方の声を
もっと悩んでいるお母さんに聞いて欲しい
 
東山さん
学校っていうのは人生の中のほんのちょっとの期間
何かのきっかけで憧れられるものに出会うかでだいぶ変わってきますからね
 
 
NPOチャイルドライン
ここには友達や親に話せない子どものホンネが年間6,600件集まります
子どものホンネを聞いて10年
代表の徳丸のり子さん
最近非常に気になる声がある
りの空気を過剰に気にする、友だちだけでなく親にさえ気を使う子どもが目に付く
 
クラスのイケてる子から「え~!?」と言われるのが怖い
思うように喋れない
 
最近仲間はずれにされているような気がする
確かめたいけど「相手も自分も傷つくかも」と思うと怖くて聞けない
 
学校に行きたくなことをお母さんに言えない
余計な心配をかけると思うと言い出しづらい
 
徳丸さんが考える周りの人に気を使う子が多い訳
子どもたちが生きている空間は限られている
そこで浮いたり、嫌われたり、いじめられたりすると行くところがなくなってしまう
その恐怖を子どもたちは肌で感じていると
それは言ってみれば子どもの生存を賭けた戦いです
 
孤独を感じる子どもたちが世界と比べて圧倒的に多い
(グラフ日本は30%近い、第2位はアイスランド10%近く、一番少ないオランダは3%ぐらいか)
 
尾木さん
ものすごく多いんですよ
だからこのデータが出たときに国際社会で「日本の子どもはどうなっているのか」と随分議論された
日本の子どもたちは自分に自信が持てていない「自己肯定感」という
学校と家庭が同じ価値観を持ってしまっている
勉強ができるかできないか
そうすると、学校に居場所がないイコール家庭に居場所がないというふうになる
勉強がどんなにできない子でも
「あんたは弟と妹の面倒見る、こんなにイイ子はいないんだよ、お母さんの自慢の息子なんだ」
とご近所に言ってくれるお父さんお母さんは日本にはすごく少ない
「うちのバカ息子が」という人が多い
家庭のお父さんお母さんがしっかり褒めなきゃダメ、認めないと
 
東山さん
生きる活力になりますからね
 
終わり
 

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