2013年7月28日日曜日

あなたは未来をどこまで知りたいですか~運命の遺伝子~ NHKスペシャル 文字起こし



急速に進歩している遺伝子検査の世界

アンジェリーナ・ジョリーさんの乳房切除手術などもあり

一般的にも、かなり認知されてきました


今、遺伝子を検査することで何が分かるのか?

それが何に役立つのか?

そして、これから遺伝子の世界はどうなっていくのか?


まるでSF小説を読んでいるような気分で番組を見ました


1991年、世界6カ国、3000人の研究者によって始められたヒトゲノム計画

初めは1人の遺伝子をすべて解読するのに12年かかっていましたが

次世代シーケンサーの登場によって

現在では1日で解読することができるようになりました

それによって膨大な人数の遺伝子を解析、データを蓄積することにより

瞳の色が決定される遺伝子があることや

特定の病気のリスクを知ることができるようになりました


番組では俳優の平岳大さんが

アメリカの会社が販売しているキットを使用して

120種類の病気のリスクを知る様子が放送されていました

価格は99ドル(約1万円)

唾液を郵送して1カ月後にネット上で結果を知ることができます

平さんは心房細動(不整脈)とアルツハイマーのリスクが

平均より少し高いという結果が出ました


以前からやりたいと思っていたんです、遺伝子検査

少し調べてみたら日本でも

肥満、肌質、AGA(薄毛)、アルコール代謝

IQ、ダンスの才能などを調べるキットが販売されていて

安いもので5000円ぐらいから買うことができるようです

でも全体的に割高なような・・・


番組でチラッと円形脱毛症などのイラストが見えていましたが

それはGeneLifeっていうとこの商品みたいですね

光くしゃみ反射や目の色、身長、痛みに対する敏感性など

今更調べてどうするんだろっていうような項目も多くあり

半分遊びで検査するような商品かもしれませんが

他と比べるとガツガツした商売っ気がなくて好感が持てます(笑)

調べられる項目数の割りには値段もお手頃かな?


でも番組でやってたアメリカの会社のキットほど安くはないですね

もう少し安くならないかな~

まあお金に余裕のある方は遊びでやってみてもいいかもしれません


薄毛や肥満に本当に悩んでいて検査するかどうかっていう方は

レビューを書いている方もいますので

お金を払う前に参考にしたほうがいいと思います


お子さんの才能を発見してあげよう~とか

これでダイエットも劇的な効果が期待できますよ~とか

そういう足元を見るような商売のものも多いので

惑わされないよう注意が必要ですね~


検査結果についても

これから新しいことが分かることもあると思うので

そのことを頭に置きつつ

あくまで参考程度にしておいたほうがいいかもしれませんね

人為的なミスもないとは言えないし

(唾液の取り違えとか?)


アンジェリーナ・ジョリーさんが手術をする前の

遺伝性乳がんのリスクは87パーセント

残りの13パーセントは環境要因によって発症しない人もいるとのこと

遺伝子検査をすることも一つの有効な方法ですが

環境要因についても知識を得ることが重要ですね


次世代シーケンサーを使用して

ALKという遺伝子(がんの原因遺伝子の一つ)を発見し

肺がん患者の回復につなげた例や、

原因不明の難病の子どもが

普通に生活できるようになった例などが紹介されていました

ALK遺伝子を発見された東京大学の間野博行教授は

「がんが治るというこということも不可能ではない時代になってきたなと思う」

と語っていました

そうか~とうとうやってきましたか、そんな時代が!


アメリカのニコラス君は

食事をすると免疫異常が起きて腸に穴が開く難病でした

手術は何と160回以上もしたそうです

手立てがなくなった医師たちはニコラス君の全遺伝子を解析し、

3カ月かかって原因を探りました

そしてその中にあった腸の免疫に関わるXIAP遺伝子が原因と分かったのです

他の多くの人がGの場所がニコラス君はAになっていたのです

たどり着いた治療法は骨髄移植

治療によって劇的に回復し

平さんとテーブルを囲むニコラス君の姿

目をつむって食事を味わっていましたね

平さんはこう表現していました


自分が大好きなチーズが入ってる揚げ物みたいなものを

食べるっていうときはちゃんと座り直して

水とチーズと本当に全身で向き合ってる感じがする

食べるっていうのはこういうことだって、僕教えてもらいましたね


本当にあんなに真剣に

食事をしている子ども(大人も含め)って見たことありません

これは映像で見てほしいシーンでした

お母さんも幸せそうに見つめていました


番組の最後には

受精卵の遺伝子検査会社へ訪問したVTRもありました

一つの病気につき35万円で分析するそうです(高い!)

そうやって病気のリスクの低い受精卵を選ぶんですね

まさに映画「GATTACA」の世界

倫理的にどうかという議論や制度づくりがこれから必要になっていく問題ですね

でもデリケートな問題なので当事者になったら

なかなか簡単に割り切れるものでもないかもしれません

番組の中でも平さんがこんなコメントをしていました


命の選別とかは神の領域なので

すごく懐疑的な目で見ていた

だけど、もし、すごく(自分に重篤な病気のリスクなど)

重大な問題が見つかったら

(受精卵の遺伝子検査を)やるかもしれないなと



日本でも現在、重篤な遺伝性疾患の可能性がある場合などに限り

受精卵の検査は認められているそうです


樹木希林さんはこんな不安を口にしていました


多様性がなくなっちゃったらつまんないと私は思ってますけども

余談になりますけど、こないだ夫の姉が突然何年ぶりかで電話かけてきて

「どうしたの姉さん」て言ったらね

「もう悪くて電話かけられなかったのよ

あなたががんになったのは裕也のせいだわ」って

「でもね姉さん、私はああいう人じゃなかったら

おもしろみがなくって、それでストレスになってましたよ」って励ましたんです

だから、そういう考え方もある

いろんな人がいていいんじゃないかと




ヒトゲノム計画プロジェクトリーダーの1人である分子生物学者、

榊佳之さんは多様性について、こうお話されていました


人類という話をすると

多様でなければタフではないんですよね

いろいろ感染症がある、エイズとか

でも多様だからタフに生き残る人たちがいる

でもみんな一緒だったら、みんなバタンと倒れて

人類おしまいということになりかねない



ニコラス君たちのように遺伝子検査によって

人生をより良いものにできる人たちもいれば

目の前にある遺伝子検査の情報に振り回されてしまう人たちもいるでしょう

でも、この20年、30年の遺伝子科学の進歩を見ると

この先の20年、30年後もどうなっているか分からないんですよね

だから科学は不完全なものなんだってことを忘れないで

20年、30年後もきっと変わらないものを大事にして

遺伝子の世界とも付き合っていけば

結構うまくやっていけるような気がします



関係ないですが

銀河鉄道のセットすてきでしたね

でも何で銀河鉄道だったのかな?



7/28追記
平岳大さんが7/31㈬の

あさイチ「ちゃんと知りたい遺伝子検査」の回に出演されるみたいです。

今回のロケのことなどもお話されるんでしょうね。



7/31追記

あさイチでは今回と同じVTRが流れていましたね。

子どもの才能を遺伝子で調べるというのは

やはり科学的根拠は薄いということでした。

子どものやりたいことを取り上げたり

やりたくないことを無理に押し付けるようなことをすれば

かえって害になりそう。


親がきちんと正しい情報を見極めるとか

一つの情報を信じ過ぎないとか

難しいですけれど、そういうことをやっていかなければいけませんね。





8/5追記

同じ話題を来週のサイエンスZERO でもやるようです

放送日は8/11日曜日23時30分から










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