2013年9月2日月曜日

「高畑勲の存在」宮崎駿スペシャル『風立ちぬ』1000日の記録(9) プロフェッショナル仕事の流儀



その脳裏には一人の男の存在があった
 
 
宮崎 パクさんの取材の成果はどうですか。
 
 
パクさんと呼ぶ、唯一無二のライバル、高畑勲だ


宮崎 パクさんは何やってるんだろうね。


徒歩20分のスタジオで高畑の映画づくりが進んでいた
 
題材は『竹取物語』
 
 
75歳を超えてなお、その緻密な演出術は健在だった


高畑 人の動きって印象変わるんですよね。それをやってみているだけなんですけど、タイミングを。
 サッと出すところは早くして、引きつけるところをタップリというか、ゆっくり目に。


高畑の取材に行った後には宮崎からメッセージが残されるようになった
 
(ホワイトボードに「次のステップ、語らせるのではなく撮(よ)みとるべし。かくされた絶望の深淵をこそキロクせよ」の文字)


宮崎 絶望の深淵っていうのは言葉がすごいけど。なんか映画ってね、つくってないと寂しくなるんだよ。つくりたくなるんだ。つくれるような気がするの。やっていくとその要求された荷重の負担に耐え難くなるんですよ。


もはや、互いに励まし合うような間柄ではない
 
それでも高畑の存在が宮崎の支えになっていた


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