2013年9月23日月曜日

(8)「小学生のユキちゃん」 ETV特集 トラウマからの解放


2週間後

ユキさんに変化が表れていました



ユキさん こないだの(EMDR)終わってから、ちょっと感覚が楽なの。なんか、おっきな声のいらいら度がちょっとましかな。そんな気がする。
 先生、ビッグニュースがあるの、ビッグニュース。

大塚さん 何?

ユキさん 街コンに行ってきたの。



ユキさんは

男性が大勢集まる場所にいても

これまでのように気分が悪くならなかったことを報告しました



ユキさん なんか、ね、いらいらしなかったの。大丈夫だった。

大塚さん 本当。



しかし、別の症状がひどくなっていることが分かりました


夜寝ているときに叫び声を上げる症状が悪化していたのです



ユキさん 街コンの日はね、割と大丈夫だったと思ってたんだけど、その夜寝て起きたら、お母さんが「きょうは一段とうるさかったで」って言われて。「あ、そうなん?」て。

大塚さん じゃあ2週間ぐらい、夜叫ぶのが続いてるのかな。

ユキさん うん。



4歳のユキちゃんのトラウマを処理しただけでは

十分ではなかったのです


ユキさんの中には

他に大きなトラウマがあるのではないか

心理士はさらに過去の記憶を探っていきます



大塚さん ほんと、この記憶が私のいろいろなことを邪魔してるなあっていうのはどのシーンになるのかなあ?

ユキさん うーん。でもパッと浮かんだのは◯◯くんかな。

大塚さん パッと浮かんだのはね。

ユキさん さわ、触られるのが嫌。

大塚さん ああ。触られるのが嫌なのね。



ユキさんの中から新たな人物が現れました


解離によって生まれたその人物は

年上のいとこから性的ないたずらを受けたことを語り始めました


ユキさんの身に一体何があったのか

それをしっかり突き止めるため

心理士はユキさんの中にいる未知の人物に呼びかけます



大塚さん きょうは、その◯◯くんの記憶についてEMDRをして扱っていきたいなあって思うんだけれども、それに関してこんな気持を持ってるよとか、これは許せないという人に集まってもらいたいと思っています。話してくれそうな人、まず誰がいるかな?

ユキさん 音歌ちゃんは「私しかしゃべれるやついねえだろ」って。



心理士が問いかけると

ユキさんの中から複数の人物が声を上げ始めました



大塚さん 音歌ちゃん、そういうふうに言ってきてくれてるのか。

ユキさん 「今は大丈夫よ」っていつものニッコリです。

大塚さん ああ、本当に。

ユキさん 小学生のユキちゃん。

大塚さん うん。

ユキさん 退室したいけど、でも・・・。

大塚さん うん。

ユキさん 座りたくはない。でも退室しちゃうのも嫌だ。

大塚さん そうなんだね。




ユキさんの中には6人もの人物が存在し

トラウマの記憶を分担していることが分かってきました

(お嫁さん、音歌ちゃん、4歳のユキちゃん、9歳のユキちゃん、渉ちゃん、要ちゃん)



どの人物が

一番はっきりといとこによる性被害を覚えているか

探っていきます



ユキさん 「本人にしゃべらせたほうがいい」って言われたからしゃべる。

大塚さん オッケー。大丈夫?



小学生のユキちゃんという人物が

性被害について話したいと名乗り出ます


そして被害を受けた場面について語り出しました



ユキさん コーラ、コーラがあるのね。

大塚さん ほお。

ユキさん 喫茶店。

大塚さん うん。

ユキさん トイレに行くのね。

大塚さん うん。

ユキさん 一緒に行かなきゃいけないのね。

大塚さん うん。



小学生のユキちゃんは

喫茶店のトイレに連れ込まれ

被害を受けたことを打ち明けました



ユキさん 「パンツはいてないのがばれたのが気になってる」って。この子の気にしてるとこがそこ。



小学生のユキちゃんは

性被害を受けた日、いとこに下着を奪われ

下着を着けないで過ごしたことがトラウマになっていました

 
 
 
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