ミッツ まあ、でも結果そうなってたってだけの話だよね。その一瞬一瞬、毎分毎秒そんなものを実感しながら他人同士が生活なんかできるわけないと思うんだよね。で、10年20年たったときに振り返ってみればそういうことだったのかもねっていう。
壇蜜 今、NOWの状態だと分かんないですよね。
ミッツ でもそこを今求め過ぎるでしょう．特にご夫婦の人たち。向きあおうとするでしょ。
壇蜜 無理くり。
ミッツ 無理があるような気がするんだよね、どうせ他人同士なんだから.
壇蜜 伏せたり背いたりすることがなぜ「悪」と思うのかが、ちょっと分からない。
ミッツ それに寄り添えばいいと思うんだよね。
小島慶子 家族なんだから分かって当たり前とか、夫婦なんだから仲良くしなくちゃいけないっていうのって、なんか・・・しんどいだろうなあと思う.「うちの夫婦ちゃんととしてます」「うちの家族ちゃんとしてます」っていう。別に審査員どこにもいないのに「一応証明しなきゃ」みたいに思っちゃうとしんどいだろうなあーとは思うし、自分の子どもだって考えてること分かんないから．
壇蜜 一緒に長い時間暮らしてるからってそこまで分かり合えるかって思ったら．
小島慶子 自分と親との関係考えても、全然分かり合えてない部分ってあるじゃない．
壇蜜 親の笑いのツボとか分かんないです．
小島慶子 本当？全然違う？
壇蜜 ものまね歌合戦の替え歌とかでちょっとエッチな替え歌になったときに、うちの母が大爆笑したのがすごい意外でした．
小島慶子 お母さん(笑)
ミッツ そういうの見せなかったんだ、子どものとき。
壇蜜 意識がなかったんですよね。まさかお母さんがエッチなネタで笑うって。お母さんはお母さんですから.ただお互い大人になってみると母が「ずるむけ」とかいうシーンで笑ってるんで「お母さんここでか、っていう。
ミッツ それ、うれしかったの？嫌だったの？
壇蜜 ちょっとうれしかったですね。
小島慶子 そう。よかったじゃない．お母さんもたぶん油断して。大人になったからっていって「ずるむけ」で笑う自分を出せたんだね、きっと(笑)
ミッツ じゃ、ちゃんと娘の前では「母親」ってものを演じてた方なのね。
壇蜜 おそらく小さいころは「演じてないといけない」っていう節があったと思います．「お母さんだからこうしなきゃいけない」っていうのは。ただ今は私がすっかり大人になったんで、ないと思いますけどね．そういうもんですよね、大人って。
小島慶子 お母さんと最近どう？
ミッツ うちは逆だったから。本当に私がかなわないぐらい、だだもれだった人なのね、うちの母親って。子どもが見てようが志村けんさんがお尻出すと涙流してずっと笑ってんの、昔から.
小島慶子 いいじゃない．うちの中明るくて。
ミッツ 普通、そういうの「やめなさい」とか言うのが親なんじゃないのかなって小学校ぐらいのとき感じたけど。
壇蜜 先に笑っちゃう？
ミッツ 先に笑って。おならとかもう大好きだし。
小島慶子 意外！
ミッツ そういうお下劣な価値観とか、すっごい影響があって。
小島慶子 そうなの．ミッツさんが女の子の服着るの好きとか、女の子の歌歌うの好きとかって、お母さんは「やめなさい！」とか言ったこともあったの？
ミッツ うん、あったんじゃない？「やめなさい」じゃなかった，うちの母親は。「気持ち悪い」って。もう本当に諭すとか・・・正しい悪いで判断しない人だった．「私は好き」「私は嫌い」のどちらかだから.別に女の格好しようと男の格好しようと「嫌いなもんは嫌い」とか「野暮ったい」とか「気持ち悪い、やめて」とかもうずーっとちっちゃいころからきてるから.だから逆にその辺の価値観は母親の影響下にあるの、いまだに。
壇蜜 お母さんが好き、お母さんが嫌いっていうのが自分にきてるんです？
ミッツ そう。だからそこを打破してく、たぶん人生になると思う.本当に化粧してても「あ、今日はちょっと違う色を入れてみよう。でも母親はこれを好きかなあ」とか。どうでもいいんだけど考えちゃう、いまだに。よぎってしまう。
壇蜜 考える片隅にあるんですね、お母さんのジャッジっていうのが。
ミッツ そう。いまだに口出してくるからね。「今日の頬紅はいかがなものかと思います」とか、生放送終わると(携帯に)入ってんのよ．
小島慶子 「今日よかった」とかは？
ミッツ 「今日よかった」とかもある．「今日の黒い衣装グッドです」とか，そういうのもあるし。
小島慶子 そうなの．すてきなお母さんね。
ミッツ あとちょっと薄化粧になったら「お化粧してないみたいでしたよ，大丈夫？」って。
小島慶子 「大丈夫？」って(笑)
ミッツ いや、まずあなた、息子が化粧してんだよっていうね。そこをあんた乗り越えたこと言ってるよっていうね。
壇蜜 いや、乗り越えたんですよ(笑) 乗り越えた結果、「薄化粧大丈夫？」って。
ミッツ そうそう。すごいよねえ，もうね、親子の関係としては何だこれと思う.
小島慶子 でもなんかすてきなお母さんね。だって「あるべき」とか押し付けてこないのいいじゃない、好き嫌いで。
ミッツ でもだましだましだよ，そういう関係性って。慣れ合いだと思う.何がきっかけでとっても・・・「ぶつかり合って乗り越えてきたんですか」とかって聞かれるけど、そういうんじゃないもん。お互いに慣れるしかないから,「あ、こういうことしてる息子がいる」っていう日常が10年続くと、人ってだいぶ慣れる。
壇蜜 大きいぶつかり合いとか大きくくり抜かれがちだし「ターニングポイント」とかってよく聞かれますけど,結局一緒にいたことなんですよね、長い時間。
ミッツ もちろん初期段階でガーってけんかしたりとかはあるし、エピソード的にエキセントリックな場面が家の中であったこともあったけど,じゃあ次の日から変わるんじゃなくて、それも含めて・・・。
壇蜜 だんだん変わっていく．
小島慶子 そうよねえ．次の日から変わるわけじゃないのよねえ．
壇蜜 今はやっぱり男女間でも、すぐ次の日から変わる関係を求めたがるし、雑誌やメディアもそれを・・・。
ミッツ 答えをすぐにね。
壇蜜 出そうとするじゃないですか．
小島慶子 そういうときに「駄目よ、こんな写真嫁入り前なのに」みたいな、想定される母子の葛藤みたいなのはあったんですか．
壇蜜 その代わりに「こういうことをするのであれば、しっかり元を取ってから結婚なり何なりしてください」って言われました．
小島慶子 お母さん、現実的。
壇蜜 「あなた、まだ心の借金が返されてないからね」っていう．
ミッツ 親が一番そういうとこ見てるし分かってるよね。
壇蜜 はい。
ミッツ そうなの，ふって言われるときがある．
壇蜜 「今までどれだけ資格だの何だの取ってお金と心配をかけたことか」と。で、「今この世界にいるんだったら今日明日辞めるとか言わないで」って。「元を取りなさいよ」って。
ミッツ 「ちゃんと片付けなさい」って言われたことある．
小島慶子 今度お母さん呼んで、4人で飲んだら？
ミッツ いや、もうやだ。めんどくさい(笑)
壇蜜 もう帰れないですよー。3日ぐらいないと駄目ですよね。
ミッツ 親をテレビに出したことある？
壇蜜 ああ、私いまだにないです．
ミッツ 私もない。
小島慶子 ないない。
壇蜜 怖くて出せないです．
ミッツ あれもあんまりしないほうがいいと思うの。
壇蜜 うちの母、二つにちぎったポン・デ・リングみたいな感じなんですよ．
ミッツ (笑)
小島慶子 二つにちぎったポン・デ・リング・・・こういう感じ？
壇蜜 モッコモコなんです，ムッチムチなんです．
小島慶子 こういう感じなんだ。(手で顔の周りにポン・デ・リングの形をつくる)
壇蜜 いえいえ、こういう感じなんです．(手で体のラインを示す)
小島慶子 かわいいじゃないの(笑)
壇蜜 ムッチムチなんです，うちの母。
小島慶子 「お母さんと出てください」とか多いでしょう，でも．
ミッツ 最初あったけど,「もう絶対に嫌だ」って言って。要は親を出すことで答えを導いたつもりになってるじゃん。「そんな楽させてたまるか」って思うの。「この親にしてこの子あり」とか言われようもんなら「おまえに何が分かるんだよ」と思うし。
壇蜜 何か雰囲気が似てるっていうだけで分かった気で放送されちゃいそうですよね。
ミッツ あと、例えばポン・デ・リングの母親が壇蜜の母親だったとしたら、その意外性みたいなところばっかりがフューチャーされるじゃない？それもなんかしゃくよね。
小島慶子 確かに家族ってそんな分かりやすい話でもないよねえ．
壇蜜 私よりも母親のほうがモテてるのが余計にしゃくなんですよ．
小島慶子 マジですか！
ミッツ (笑)
小島慶子 ポン・デ・リング、モテモテなの？
壇蜜 モテモテなんですよ．何ブームだっていうぐらいモテモテなんですよ．
ミッツ だってポン・デ・リング売れてんじゃん。モチモチなんでしょう．
壇蜜 ポン・デ・リングじゃなくて半分に切ったポン・デ・リングです(笑)
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